ロザ・パークスの日

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by KimikoHarlem

今日からいよいよ12月。
12月1日はAIDSの日。
そして、今日はロザ・パークスの日。

ちょうど50年前の今日、人種差別の激しかった南部で、Ms.ロザ・パークスが白人にバスの席を譲らず逮捕されました。当時の南部では、あらゆるところで白人用と有色人種用(=当時は主に黒人を指していた)の入り口や場所が区別されており、バスの場合は、前は白人、後ろが有色人種、真ん中は座ってもいいが白人が乗ってきたら譲ること、と定められていたのです。
この日、ロザは運転手のスグ後ろの席に座っており、乗ってきた白人に席を譲ることをかたくなに拒み捕らえられました。

これにはキング牧師も乗り出し、381日間に渡る大々的な「バスボイコット運動」となって、後々アメリカの歴史を大きく変えることになる大きな一歩となりました。
「公民権運動の母」と呼ばれたロザ・パークスは、今年10月24日、92歳で亡くなり、全米で大きなニュースとなりました。

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今日のお昼に私が最初に乗ったハーレムのバスは、すごく混んでいて、立っている人も沢山いました。客は全員黒人。あるおばさんが、前に空いている席を見つけて座ろうとした途端、スグさま四方八方の乗客みんなから大声で注意されました。
「そこは今日はロザ・パークスの席だから座っちゃダメよ!」
よく見ると、運転手のスグ後ろの一番前の座席のど真ん中に「今日はこの席をロザ・パークスの為に捧げましょう」と書いたMTA(バス会社)の白黒のチラシが貼ってあります。“洒落たことするな、MTA”と思い、運転手を確認すると黒人の太った気の良さそうなおじさんでした。

その後も、新しい乗客がバス停から乗ってきてはロザの席に座ろうとする度に、オバちゃんやオジちゃん達が同じように何度も注意。中には「私は疲れているんだから座るわよ」といって座ったオバちゃんもいましたが、「チラシの文字が見えないの?今日だけはそこはロザ・パークスの席なのよ」と口々に非難され、いたたまれず2駅くらいで降りていきました。
改めて、ハーレム=黒人の街にいるんだな・・・と感じた瞬間でした・・・。

どのバスもこんなカンジなのかな・・・と少し気になって、普段は歩く距離でも何度かバスに乗り換えてみました。

次のバスの運転手はラティーノ。
乗るなりロザのチラシを確認すると、運転手の席の真後ろではありましたが、座席ではなくガラス窓に貼ってありました(写真上)。バスはさほど混んでもいませんでしたが、ロザの席には乗客が既に座っており、車内も静かなものでした。目立ちはしませんが、乗客の頭越しにも、ちゃんとチラシの文字は見えていました。

最後のバスの運転手は、ハーレムまでやってくるバスには珍しくアジア系の運転手でした。
ロザのチラシは・・・運転手の後ろの席にくしゃくしゃになって貼られており、もうすぐはがれかかりそうな斜めの体制でかろうじて窓に張り付いていました。
誰もその文字に気を止めることも無く、何人もの乗客が座っては降りていきました。

朝、会社から「各自バスに貼るように」と渡されたロザ・パークスのチラシ。
運転手の気持ちによって貼る場所や貼り方も違えば、バスが通過する街によって受け止められ方も違う・・・まさに人種の坩堝(るつぼ)ニューヨークの日常を垣間見た「ロザ・パークス」の日でした。


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by tommytomita | 2005-12-01 23:05 | ニュース
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