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1ペニーで日本を救いたい~貧困地区ハーレムの学校

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by 松尾公子
今日は、私が心を動かされた話を是非ここでシェアさせてください。。
よかったらこのリンク ↓ を貼って広めていただければと思います。
http://tommyny.exblog.jp/15982908/

先日、午前中の仕事の休みをとって、個人としてハーレムにある小学校を訪問させていただきました。
NYマンハッタンの中でも、恒常的な貧困に喘ぐ移民が多く住むエリアのひとつ「スパニッシュハーレム」、その果てにある公立学校の黒人・ラテン系の児童達が、日本の為に、3月からずっとペニー(Penny=米国の最小単位のコイン、日本で言うと1円)を集めてくれていたというのです。
その数30000枚

小学校から連絡を受け、その大切な募金をわざわざNYまで受け取りに来られたのがCookieさんと奥様。90年代、まだ余り日本人にアポロ劇場が知られていない時代に、トミーさんのアレンジで出演したことのあるソウルシンガーで、現在、日本の被災地の小学校に、直接文具や必要なものを送る支援活動を継続的に実行されており、私はその受け渡しのお手伝いをさせていただきました。



学校には部外者は勝手に出入りできませんので、学校のソーシャルワーカーの先生(今回の募金の中心人物)と事前にしっかり打ち合わせし、さて約束の時間に学校の最初の扉を開けるとーー。

セキュリティのところに、もう先生と子ども達数人が待っていて、ハグで歓迎してくれて、その笑顔が私達の緊張をすっかりほぐしてくれました。

そして、入ってすぐの廊下の中央にはーー。
手作りの「To Our Friends From Japan Welcome」と書かれた垂れ幕が貼ってあるではないですか。
とても嬉しそうな顔で私達に見せてくれて、「これを持って帰って日本の友達(小学生)に渡して!」とおおせつかりました。
(大変な大きさでしたが、快くCookieさんが帰りに壁からはがして持って帰ってくれました)
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それから、先生と生徒の代表が、募金を集めてくれた子ども達の教室をいくつか案内してくれました。
日本から自分達のペニーを取りに来てくれる「今日という日」は、彼らにとって特別な日で、心から楽しみにしてくれていたんだそうです。

4歳から小学校6年生くらいまでの色々な年代のクラスを訪れました。
日本の子ども達を励ます手紙や、「ガンバレ!」(Good Luckと訳してあった)と書いたカラフルな絵をひとりひとりが描いてくれていて、教室に入るごとにその手紙の束を贈呈してくれました。

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Dear JAPAN, We love you so much!

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Dear JAPAN, I think the penny to make new buildings and new food and penny will make you all Happy and save and I wish all of you Don't cry..
私が集めたペニー(コイン)が日本で新しい建物や食べ物になると思います。そして私が集めたペニーで日本の皆はハッピーになって救われると思います。どうぞ泣かないでね。。。


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津波のニュースを見てとても悲しいです。早く元気になってね。

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「日本から飛行機で14時間かけて来ました」というと、みんな目を丸くして驚きの声を上げます。
4歳とか10歳の子ども達の殆どは、勿論海外に行ったこともなければ、日本がどんな国かも知らずにこれまで生きてきたでしょう。
でも、テレビやインターネットで、映画のシーンのような惨事を見て、「何かしなきゃ」と思ってくれたんですね。

どの教室に行っても「皆さん質問がありますか?」と訪ねると、
「はーい、ハーイ!」と全員が日本の被災の状況を心配して質問してくれます。

「津波はどれだけ大きいんですか?」
「日本の子ども達はごはんは食べることが出来ていますか?」
「着るものはありますか?(私の上着(1枚)を先生に渡しているので日本の子どもに持って帰ってもらえますか)」
「シェルター(避難所)にいるんですか?」
「学校に行って勉強できてますか?」
「学校をもう一回作るには何日くらいかかるんですか?」

みんなすっごく元気に質問してきて、一生懸命答えを聞いて「ほー!」とか歓声をあげます。
ハグをしてあげるとすっごく嬉しそうに胸に顔をうずめてきます。



全てが終わって、ソーシャルワーカーの先生が私達に話してくれました。

「生徒達の多くが貧しい家庭の子ども達です。
家賃が払えず毎月のように親と住む場所を転々としている子もいます。
生まれた時から親とシェルター(1日単位でホームレスや家庭内暴力から逃れているひとたちetc.が寝泊りするところ)を転々としている子もいます。
食事は、学校で与えられるものだけで生きている子もいます。
冬でも夏の格好をしてくる子もいます(冬服を持っていないんです)、、、」

さっきまでの元気な子ども達の笑顔を思い出し、胸が詰まりました。
自分の食事も十分じゃない子もいたはずなのに、
着るものも沢山あるわけではないのに、
自分の家ももしかしたら大変な状態かもしれないのに、
一生懸命日本のことを心配してくれていたんです。
(※この学校の全員がそうではなく、一部の生徒は、という意。)


今回、ハーレムの子ども達がペニーを集めたのは「Penny Hervest」というプロジェクト。
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ペニー(1円)をみんなで集めて収穫しよう(小さな力も沢山集まったら人を助けることが出来る大きな力になる)
ということを子どもたちに行動で学んでもらうもので、全国の4歳から14歳の生徒50万人がこれまで参加し500万ドル(約4億1千万円)の収穫を結んでいます。
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使い道も、身近にコミュニティで起こっている問題を話し合いながらみんなで決めます。
イーストハーレムでは、ご覧のように、ホームレスの為、医療が必要な家庭や子どもの為(米国の貧困家庭では保険がなく医療を受けられないことが多い)、食べ物や住む家が無い家庭や子どもを助ける、動物を助ける、そして世界で起こっている災害を助ける、というのがあり、本当は今学期分はもうハイチ救済などに送り終わったところだったらしいのですが、3月の津波をニュースを知って、子ども達が「追加で日本の為に皆でペニーを集めよう」と言い出したのだそうです。

30000枚のペニーが集まり、一旦締め切って、日本人(私達)が受け取りに来る日が決まった後も、道端に落ちているペニーを拾って嬉しそうな顔で持ってくる生徒が絶えなかったそうです。

(※ニューヨークでは1年で200万ドル(1億6千万円)のペニーが放置されている計算になっているらしい、皆さんも1ペニー落としても拾わなかったことありませんか?)


※詳しくはCookieさんのブログをご覧ください(こちらをクリック)


※どのような経緯で今回の話が実現したかはこちら ↓
<以下、Cookieさんのブログより>

僕の所にとても素晴らしい申し出をしてくれた人がいます。
「NYはイーストハーレムの小学生が東日本大震災で被災した子供たちに数百ドルの募金を募ってくれたそうです。 できるだけ直接的にその小さな手で集められた数百ドルを渡せる方法を探している。 」

そんな申し出でした。

本当に偶然、GWにNYに行く予定があります。
そして、大阪ファンクジャムとして、
松島第五小学校に直接文具をお渡しする機会を持っていました。

NY、イーストハーレム。
マンハッタン島の106st以北、レキシントンAVより東です。
かれこれ10年は訪れていないので
そこがどんな変化を遂げているのか分かりません。
治安は良くなったと言う話もよく耳にします。

ですが、イーストハーレムはスパニッシュハーレムとも言われ
スパニッシュ系の居住区であり
僕がよく訪れていた90年代前半はまだ危険度10で
観光客は行ってはいけない。と言われていた所でした。
決して富裕層の集まりではないはずです。

そんなイーストハーレムの小学生が集めた数百ドルの価値は計り知れない物があります。

松島の子供達とイーストハーレムの子供たちが繋がり
そして、様々な環境があるということ。
自分自身を普通だと思わない事。
皆それぞれ違った環境下のなか様々な問題を乗り越えていかなければならないものだと意識をもてる大人になってほしいと思います。

そんな素晴らしい橋渡しの計画を始めました。

子供は宝です。

まずは、そんなイーストハーレムに住む子供たちにありがとうと言いたいです。


* * * *

1ペニーで日本を救いたい~貧困地区ハーレムの学校_f0009746_495167.jpg子ども達から本当に沢山のことを学び、本当に元気と希望をもらいました。どうも有り難う!
写真を撮る許可がえられている子どもだけ呼ばれて一緒に写真を撮りましたが、一応小さいサイズにしておきます)


被災から2ヶ月が過ぎ、「日本を救うチャリティイベント」とタイトル(時にはサブタイトル)が掲げられたイベントがNYでも本当に数多く開かれています。
人々の記憶から薄れていかないように、色々な方法で呼びかけ続けることが長い復興には必要です。

なかには、日本支援!ということで注目を集めようとしてなんだかよくわからないものとか、ふろしきだけ大きく広げて、宣伝費とか経費を考えたらそのお金を募金したほうが良かったんじゃないか、Fameと思えるようなものも出てきているのかもしれません。


今回のハーレムの子ども達のPureな姿を見て、私達も大きなことは出来ませんが、これからも体ひとつでできる街頭募金活動をこつこつと続けて行きたいと思っています。
コンサートも、できるだけ(経費がかからず)頂いた募金がなるべく全部日本へ送られるような会場や内容を考え日程も考え直してみようと思っています。


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※Cookieさんが日本のチャリティライブで被災地へ送る文具の箱と一緒に、イーストハーレムの子ども達の大切な応援が直接「松島第五小学校」へ届けられました。



学校ぐるみのあまりに温かい歓迎だったので、私達3人だけだったことがもったいなく、ここに詳しく報告させていただきました。良かったら自分のブログなどにもリンクを貼って広めてくださいませ↓
http://tommyny.exblog.jp/15982908/


実は、「せっかくのお話なので日本のメディアと一緒に行きましょうか?」と学校に相談してみたのですが、「NYの学校は諸々厳しいし、また生徒達はFame有名になるためにやったことでは無いので十分です。団体に寄付するのが簡単ですが、生徒に自分達の行動が直接日本の人に届いたということを体験してもらい交流出来ればそれが一番ですので、今日はこの学校の記念すべき日になりました。」とソーシャルワーカーの先生が言ってくださいました。日本の為に有難うございました。


※日本の子ども達で、このハーレムの子ども達にお礼の手紙や絵を送りたい!という方や団体や学校がありましたら、どうぞ積極的にご連絡ください。
それを見て、また大きな笑顔になって返事を書くハーレムの子ども達の顔が今でもすぐ浮かんできます。

この大惨事は本当に大きな悲しみですが、大きな未来が待っている子ども達が「世界を知る」機会になったり、「勉強」して彼らと話をしたい、と思ったり、自分も大人になったら人を助けたり励ましたりすることをしたい、、、、という希望に繋がればと思っています。。。



<関連過去ログ>
ハーレムの小さな小さな助け合いの輪
(2011年6月)


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*日本赤十字社から寄付

*Red Cross Americaから寄付

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by tommytomita | 2011-05-17 05:43 | ハーレム情報
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