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マクドナルドゴスペルフェスト日本人初出場・初優勝2010年〜トミー富田&松尾公子

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(2010年 CBSテレビ「モーニングショー」出演)


数日前アメリカのメディアに取材いただきいろいろ回想し考える機会がありましたので以下メモとして残しておきます



アメリカで日本人初を密かに切り開く


ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤー(Harlem Japanese Gospel Choir)


1997年、ニューヨーク・ハーレムの黒人教会から生まれた、

ニューヨーク初の日本人ゴスペルクワイア

(記録がないのでアメリカ初かもしれません)

 

創設者 トミー富田

創設 1997年

創設協力 Bishop Dr. Preston Washington Jr. 牧師

(Memorial Baptist Church, Harlem NY)

主宰 松尾公子



2010年 6月19日、

アメリカで初めて、日本人が

黒人教会音楽の象徴であるゴスペルの大会に出場し


そして、

ゴスペルフェスト日本人初出場・日本人初優勝の歴史を切り開きました。



日本人が、、、

というより


27年の大会史上初めて、


アメリカ人以外が、

黒人以外が、

しかもアジア人がゴスペル大会で優勝したという驚きもあり


アメリカの3大ネットワークテレビはじめ、

日米の新聞・雑誌にも多々取り上げて戴きました。


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(2010年 米国ドキュメンタリーTVインタビュー)

他多数出演依頼いただきました、有難うございます。



発起人・仕掛け人であった私は、


当時、

英語でも情報がほとんど公開されていなかった中、

応募方法や出演詳細をひとりであれこれ模索して


「心で(信仰で)歌うゴスペルに順位をつけるなんて...」

と反対する、

バリバリ教会育ちのメロディ先生の家を何度も訪ねて

「一回だけ」と説得し

(なぜ出てみようと思ったかは長くなるのでまたいつか)



多勢のメンバーに大会の説明をして意思確認、スケジュール調整、

全員の衣装も調達し、

みんなのバラバラな気持ちもまとめていかなければならなかった、


その多勢の不自由さが

その多勢の大変さが

あるからこそ


ゴスペルクワイアは

ひとつになった時のパワーが凄い。


「ゴスペルはクワイアが花形」

と言われるゆえんですね。

だから私はクワイアにこだわりたいんだと思います。



これがソロなら簡単。

自分で曲も服も決めて

好きな時に好きなだけどこでも練習して

いつでもやめることもできます。



実際、ソロ部門の本番審査は


ファイナリスト全員が一列にステージに並ばされ、

ひとりたったの数十秒の持ち時間で次々に歌って順位を決められてしまいます。

(歌に気持ちを乗せていくゴスペルが、そんな短い時間で、審査員という”人の耳で” 順位を決められてしまうのを見て気の毒になったことを覚えています)



でも花形のクワイアは、


ひと組ずつステージに上がって

それぞれに3分の時間が与えられていました。


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大会史上初の日本人、

ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤー

ぞろぞろステージに上がってきた時には


なんだこいつら、、、という冷たい嘲笑混じりのようなどよめきが観客から起こりました。


そのくらい当時は珍しい光景だったんだと思います。

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しかも、


教会育ちの13歳のドラマーと

18歳のキーボード、ベースを引き連れてステージに上がり、


黒人女性ディレクターの指揮で


半年間、この3分の為に不自由さを力に変えて練習してきた「How Great is Our God」を

日本語と英語で

全くのオリジナルアレンジで歌う姿に、


肌の色は違っても、

この人たちも教会で自分達のようにゴスペルを歌い続けているんだというのが伝わったのか、


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(当時ティーンだった私のバンドも今や人気のミュージシャン、プロデューサーになりました)


歌い終わる前から

2万人の観客は総立ちになり、


大歓声と大拍手それが2010年の

マクドナルドゴスペルフェスト日本人初優勝の瞬間でした。


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※註:「クワイアのソロイストとして出演し優勝した」と言う記述を目にして悲しくなったことがあります。クワイアのソロイストっていったい何?

真実は、ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤーにはソロイストは居ませんし、2010年の優勝も、クワイアとしてみんなで声を合わせて戴いた賞でした。修正戴ければ幸いです。 




マクドナルドゴスペルフェストは

 

2010年当時


東部アメリカ最大のゴスペル大会と言われていました。(※現在のものとは大きく違います)



2000年代初めまでは

黒人教会のゴスペル全盛期で、


どの教会もクワイアのメンバーが多くて

クワイアブーム。


大勢で歌うようなクワイアソングが人気で、



今みたいな、R&B寄りのソロ曲や、生ギター入りや、お洒落な曲調よりむしろ、


パワフルでシンプルでダイナミックなクワイア曲が主流でした。




それで


黒人エリアで人気のファストフードや量販店などが、

コミュニティのサポートと企業イメージ作戦も兼ねてスポンサーになり


大小のゴスペルイベントがよく開催されていて、

それを見にいくのが好きでした。



パスマーク(安いスーパー)主催のゴスペル大会もありましたが、

2000年代終わりにはブームも去りほぼ全部消滅。



そのクワイア全盛期ギリギリ、

私たち以外は全部黒人教会のアメリカ人、

という中に出演者して優勝することができたのは光栄でした。



(2009年のブログより↓)


その頃、マクドナルドゴスペルフェストも

「マジソンスクエアガーデン」で大きく開催されていて



2部構成でとにかく大会時間が長いので


マンハッタンの中心という立地の良さがイベント人気を支えていましたが、



それが2008年から

ニュージャージー州の奥、ニューアークへ場所を移すことになってしまいました。




3時からのコンテストのため、

マンハッタンをお昼12時頃出発、


コンテストは大抵長引き


休憩を挟んで続く第二部のゴスペルスターのコンサートも大抵遅れて


最後に大物スターが出てくるのが夜11時過ぎ。



もう観客の半分は疲れて帰ってしまってて



せっかくの大トリもバタバタと駆け足で歌って

それからマンハッタンに列車で戻ると夜中1時過ぎ、、



翌日日曜は、

みんな朝から自分の教会の礼拝。。



ということで、


大トリのゴスペルスター達が出演辞退するようになってきて、




近年は

コンテスト時間を大幅短縮し、

さらに規模・経費ともに縮小されて

優勝トロフィーや優勝メダルも無くなったとか。



私はもう10年以上足を運んでいませんが、

ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤーが優勝した時とはすっかり違うものになっているようです。


 



オーデションもガラリと変わった。


私たちが出演した年までは


マンハッタンの中心

42丁目のポートオーソリティという

全米数百のバスや列車が発着する巨大ステーションの

吹き抜けの大広場で、


朝から晩まで分刻みで、

次から次に応募者がやってくる

オーデション自体も一大イベントでした↓


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吹き抜けには沢山の見物人もいて

メディアのカメラも入っていて

英語でのTVインタビューもあって



カテゴリーも多く、


プレイズダンス(ソロ、グループ)

ゴスペルラップ

マイム

ステッパーズ

ポエッツ

ゴスペル(クワイア、グループ、ソロ)


それが

大人部門、子供部門

スペイン語部門、、、



2万人近い数の応募者が一日中ひしめく緊張のオーデション会場でした。



 

近年は、

こんな大規模なオーデションは無くなり



マクドナルドの店舗内で行われています。



 

マンハッタンエリアのオーデションは

ウチの近所のマクドナルドの

この狭い空間で2時間。



応募者は全部で20名くらいと言っていましたので、


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“2万人の応募者の中から選ばれる”と謳っていた全盛期の数字は過去のもの、



実際、近年は100名前後の応募者のようです。



時代は変わって

子供以外は黒人の応募者が余りいないので、



特に前述のようにサっと思い立って出れるソロは

ここ数年、半分が日本人のようですから

チャンスかもしれません。



審査員も、以前は

目利き、耳利きの関係者が名を連ねていましたが、



年々有名な審査員が抜けていって

今はほとんどいなくなってしまったようです。



黒人の応募者が少なくなっているというのは


80-90年代の

わかりやすいクワイアゴスペル主流から


オリジナルのゴスペル音楽を

それぞれアーティストとして自分で発信する時代に変わってきたからかなと思います。



今年38回を迎えるマクドナルドゴスペルフェストも時代に合わせて変わって行く時期。


今後は

第二部のコンサートだけになっていくかもしれません。



私達と一緒にクワイアカテゴリーから出演していた黒人のみなさん、

とてもパワフルで素晴らしかった。


ゴスペルは「上手さ」を競うものではないし、

順位を付けたり、優勝とか勝ち負けを審査員から判断されるものでも無い、



一回だけ、とメロディ先生と約束した通り


私自身、

それ以降オーデションにも、

観客としても

二度と足を運ぶことも無くなりました。



すべてが学びです、神様有難うございました。



史上初!日本人合唱団が全米最大のゴスペル大会制した - スポニチ Sponichi Annex 芸能米ニュージャージー州で先週末行われた全米最大のゴスペル大会で、ニューヨーク・ハーレムを拠点に活動する日本人合唱団「ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤー」が初出場で優勝したことが22日、分かった。同合唱団の松尾公子代表が明らかにした。リンクwww.google.com

 

 

 

 

史上初 米最大級のゴスペル大会で日本人クワイヤー優勝米ニュージャーシー州で行われた全米最大級のゴスペル大会「マクドナルド・ゴスペル・フェスト」で、ニューヨーク・ハーレムを拠点に活動する日本人クワイヤーが初出場で優勝...リンクwww.christiantoday.co.jp

 



米国メディアから取材依頼を頂きましたので

改めて頭の整理としてここに記しました(その②はスーパーボウル出演について)

 

 

 ※ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイヤーについてはこちらのオフィシャルサイトをご覧ください


 


 



 <関連過去ログ>

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

●NYハーレム案内人 松尾公子 Kimiko Matsuo

NYハーレムの黒人コミュニティにどっぷり浸かって19年の音楽プロモーター、ディレクター、NYコーディネイター、日本人ながらハーレム黒人教会ゴスペルクワイヤーのリーダーに任命されている。

Harlem Japanese Gospel Choir主宰(2010年マクドナルドゴスペルフェスト史上日本人初出場で初優勝)、2014年アメリカの黒人コミュニティより、日本人女性初「ウーマン・オブ・エクセレンス&マン・オブ・ビジョン」受賞、米国最大のエンタメ・スーパーボウルの日本人初ゴスペル部門役員、2019年世界初公式ライセンスにてアポロアマチュアナイト日本大会開催など、日本人初を次々切り開くパイオニア。

 

 

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by tommytomita | 2021-04-30 04:00 | ゴスペル
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