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ハーレムなデリ

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ニューヨーク都心部はデリ文化が非常に発達しています。もともとこの「デリ」とは、調理済みの食品というドイツ語「デリカテッセン」の略で、有名なDean&DelucaやZabar's、Balducci's等のいわゆる「グルメデリ」が本来の意に沿ったデリなのでしょうが、実際には、日本で言うところのコンビニのような、日用品が何でもそろうデリが街中に溢れています。

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人種やクラスによって結構"住み分け"がなされているNYマンハッタンでは、デリの様子も様々です。
一般的なデリというと、店先にはお花屋さんが色とりどりの花をびっしり並べて、ピカピカに磨かれたフルーツがディスプレイされていて、中に入るとガラスケースの中にちょっとしたお惣菜が並べられていて、お菓子やジャムやジュースやチーズや・・・色々なモノが整然とある感じでしょうか。
これが、ダウンタウンの方に行けばオーガニック志向だったり、ブルジョアジーなアッパーウエストやアッパーイーストサイドに行けば、更に綺麗なデリが出現し、お値段もちょっとお高めだったり・・・という感じですよね。

ところが、ハーレムのデリときたら、どうでしょう。
店先には一切お花なんか飾られていません。
外に面したガラスには、中が見えないくらいベタベタとビールやラムの宣伝ポスター(大抵はセクシーな女性がモデル)が連貼りされ、歯ブラシやら洗剤やら・・・生活臭満載の商品がビッチリ積まれ、店内に入るとジャンクフードや缶詰や卵やビールや何やらが無造作に陳列され、レジの周りには、一攫千金を夢見てLOTTELY(くじ)を買う人が後を絶たず、、、という姿。

外壁なども結構ぼろぼろになっているので、初めてハーレムに来た人に「ハーレムにはデリが無いんですね」なんて言われて苦笑したこともあります。自分達がいつも利用しているデリとちょっと趣が違うので、それがデリと気付いてもらえなかったようです。

でも、私はこのデリがとってもお気に入り。
昔日本で見たラックムービーの中のデリ=手書きのような看板がチカチカの電飾で囲まれていた洗練されていない派手さを持つデリは、間違いなくコレ系でしたし、スパイク・リー監督が描く街のデリの姿もコレ系でした。見た目より実用性と安さ重視のハーレムのデリ。レジにいるスパニッシュ系のおじさんも、男性客には愛想無しなのに、女性客には別人のように優しくてオマケなんかしてくれる軽さといい加減さも魅力です。

ところが・・・・、最近新しいビルが軒並み増え、ドアマン付きのコンドミニアムなんかがどんどん建てられているハーレム地区。住民が変われば趣向も変わる、ということで新しいビルの周りには新しい綺麗な店が次々と出現しています。それに対抗しようと、昔ながらのハーレムなデリは看板を綺麗にしたり壁を塗り替えたり努力しています・・・、が悲しいことに、時には廃業に・・・。
街が綺麗になるのもいいけれど、ハーレムなデリが消えていくのも淋しいものです。

※デリには、その街その街でいろんな特徴が。中国人が多い地区ではチャイニーズ食材が充実、ギリシャ人が多い地区、インド人が多い地区もしかり、、、たとえブロンクスやブルックリンのあまりよく知らない街に行ったとしても、その街のデリを見れば色々と想像を働かすことができます。デリは街の顔。

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by tommytomita | 2006-01-20 23:28 | ハーレム情報
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