byトミー富田
昨年12月24日、クリスマスイヴの日に、King of Harlem Soul ジミー・プリチャーが亡くなりました。
私がプリチャーをはじめて日本へブッキングしたのは1989年、今から約20年前のことです。ディジー・ガレスピーやハリー・スイーツ・エディソン他、ジャズの巨匠達と共演し、また彼の代表曲「I Just Can't Please You」はビルボード1位を獲得、あのBBキングもアルバムでカバーレコーディングしたほどの大ヒットでした。
ブロードウェイミュージカル"Black and Blue"でも主役を務め、パリ公演も行いました。そして、1994年と2003年には、私がプロデュースしている「ハーレムナイツコンサートin横浜」で来日し、大好評でした。
ハモンドB3オルガンを弾きながらの哀愁に満ちた歌声のソウルは、聴く者全ての心に響き、時には涙が出るほどでした。
ところが、数年前から急に声が出なくなり、オルガンの演奏に集中するようになりました。ライブでどんなに観客から嘆願されても、ニヤリと笑って二度と歌うことはありませんでした・・・。
プリチャーはノドの癌でした。癌の手術を受けた後は、声が上手く出なくなってしまったのでした。病院に行くのが大嫌いなプリチャーを、なんとかなだめおだてて病院に連れて行く家族はいつも大変。癌であることは、家族以外には、その最期まで明かされませんでした。
・・・そして、クリスマス・イヴ。プリチャーはその生涯の幕を閉じました。
日本から私の
ハーレムジャズツアーに参加してプリチャーのライブに感動された皆さん、毎年横浜のハーレムナイツを楽しみにしてくださっている皆さんへ、この訃報をお伝えし、皆さんと一緒に冥福を祈りたいと思います。
ジミー"プリチャー"ロビン、享年73歳。
※1月12日発行の日刊紙
「Daily Sun」~トミー富田のハーレム浅草下町考~でもプリチャーのコラムを記しました。
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