by松尾公子
アッパーイースト75丁目マジソン街にあるホイットニー美術館に、週末ともなると長蛇の列が、、、、黒人女性アーティストKara Walkerのエキジビションが2月3日で終わってしまいます。
彼女の代表的な手法は、黒い紙の切り絵。南北戦争前の厳しい人種差別(奴隷制)にさらされていたアフリカンアメリカン女性の日常、抑圧、愛と嘆き、、、をシルエットだけで表現しています。来る日も来る日も、ただ機械のように働く毎日、家族が見ている前で白人主人にレイプされる日々、、、表情もわからなければ年齢もわからない(30代なのか、はたまた10代か、、、、)その分、観る人の想像力をかきたてます。

シルエットだけなのに、それが黒人か白人かを、観る人に自然と(意識することなく)見分けさせる、見事な切り絵です。黒い切り絵をカンバスに貼ったり、等身大を壁に直接貼ってプロジェクターで色をつけたり動かしたり、自分で影絵芝居のように動かして8ミリ映画まで作ったり、、、16世紀にフランスで栄えたという切り絵が、現代アートとして様々な表現法に変えられて、そして彼女のテーマである「差別」も今なお生きている、と作品が語りかけてきます。
Kara Walker...1969年カリフォルニア生まれ。"What you want", "Negative Images of White People Positive Image of Blacks."~欲しい物、白人のたくさんの陰のイメージと、黒人の陽のイメージ
**Images(複数)とImage(単数)になっているのに注目してしまいました
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