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昨夜の裏話。

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アポロのステージでビリーさんからトロフィーを受賞するトミーさん(右)

by松尾公子

12月29日(木)
思わず目頭が熱くなった感動の昨夜から、明けて1日。今日だから話せる昨夜の裏話を少しご紹介します・・・。(昨日のブログを読んでない方は、まず昨日の記事からお読みくださいませ)

トミーさんには、本当にお気の毒なくらい全くのサプライズでしたが、実は私くしはもう随分前から、アポロのスタッフの皆さんに「28日のトップドッグには、勿論、トミーは来るよな。当日サプライズを用意しているので、本人には絶対に言っちゃいけないけど、必ずその場にいさせてくれよ!」と言われていたのでした・・・。

12月15日、アポロ劇場のマーキー点灯セレモニーの日にも、何人ものスタッフから「本人には言ってないわよね!」と念を押され、ワクワクする気持ちと同時にみんなの圧力に緊張しておりました。

さて、28日スーパートップドッグ当日は水曜日ですので、トミーさんは朝からARC(元麻薬中毒患者たちによる)ゴスペルツアー。午後、ツアーの皆さんをミッドタウンまで車でお送りして、その後スグに、The Bronxのヤンキースタジアムへ、自分用の来シーズンのチケットを買いに行きました(余談ですが、今年はチケット発売が例年より早く12月16日。今日まで10日余り、ツアーやらストライキやらで買いそびれてしまっており、勿論、4月11日の開幕戦とシーズン中の全ボストン戦、6/30~7/2のサブウェイシリーズは既に完売。4月13日の開幕シリーズと大好きなイチローのマリナーズ戦のみGetできました)。話がそれたので戻します・・・。

で、要するに、今日もまた朝からバタバタと忙しく、夕方4時半、野球帽と超普段着のままでアポロツアーへ出掛けようとした何も知らないトミーさんに、何とか“ジャケット着用”に着替えていただくのにまず一苦労したのです。

さて、7時半前にアポロ劇場に着くと、トミーさんはいつものように沢山のスタッフからハグやキスの挨拶で引き止められ、なかなか前へ進めません。いつもはこの時間劇場に降りてこない支配人のビリーさんまで、今夜は1階で待っていて「Hey!Tommy!」と挨拶にやってきます。皆からは私に横目で「ダンスの後よ、準備はいいね!」と、また無言の圧力が・・・。

それなのに、劇場に入るとトミーさんは、タカヒロ君の様子を見に楽屋に行ったり、プレゼントを渡さなきゃ・・・とウロウロしていて、行ったり来たり・・・。ワイリーさんと引き止めておくのに大苦労です。

いよいよソウルトレインダンスのコーナーが終わり、そのまま一部のMCが「Tommy!」と呼ぶのかと思いきや、舞台袖に引っ込んでしまいました。そして、アポロの要、支配人のビリーさんが出てくるではないですか、これはかなり大掛かりな表彰です。

そして・・・その後は昨日トミーさんが書いているとおりです。
ビリーさんの話の途中で、やっと自分のことを言われていると気付いたトミーさんは、小声で「えぇぇっっ・・?」と言葉にならないことを口走りながら、ステージに上がっていきました。知っていた私もウルウルしてしまう感動的な瞬間でした。

通常、アポロのステージ中は絶対に写真撮影禁止なのですが、ディレクターから「撮りなさいよ!」と強要され、ピンボケの写真を何とか撮った次第です(写真上)。

ステージから降りてきたトミーさんは、しばらく放心状態でしたが、少し落ち着いてくると、マイクを通して何も喋れなかった自分をとても後悔していました。でも、ノドから全く言葉が出なかったそうです。いつも何十人のツアー客の前で、何百人の講習の中で、何千人のジャズコンサートのステージでマイクを持って喋っているトミーさんが、です。今夜は相当ビックリして、感動していたのだと思います。

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最近急速に変わりつつあるハーレムですが、トミーさんが住み始めた20年前は、ハーレムがまだまだ荒れていて、本当に危険で、日本人なんか住んでいなかった時代。その当時のトミーツアーでは、毎回拳銃を持った黒人セキュリティがツアーバス入口に乗り込み、護衛していたそうです。87年に「地球の歩き方」にトミーさんが初めてハーレムの地図と記事を紹介し、アポロ劇場の偉大さ、アマチュアナイトの面白さを各メディアに紹介し続けてきたお陰もあってか、現在ハーレムでは沢山の日本人を見かけるようになりました。ことアポロ劇場に関して言うと、会場にいるアジア系の殆どが日本人です。コリアンやチャイニーズやタイワニーズ等・・・は殆どいません。トミーさんのように、愛情を持ってアポロの良さやハーレムの良さを伝え続けててきた人物がいないのかもしれません・・・。

以前、これまたトミーさんが10年以上、毎日曜日に通い続けているサンデーゴスペルの教会でも、こんなことがありました。正式な日曜礼拝の中で、1000人近い出席者の前で、サプライズでトミーさんの誕生会です。主任牧師に「教会を十数年サポートしてくれている大切な我々のファミリー、TommyTomita!」と紹介され、壇上に上がって教会メンバー全員からのBDカードを受け取り、クワイヤーの皆がトミーさんの為の歌を歌いました。

勿論、現在ハーレムに住んでいる新しい日本人、ハーレムを訪れる日本人の中には「トミー富田なんか知らないゾ」という人も沢山いらっしゃることでしょう。また、今ではハーレムに関する記事を書いていらっしゃる方も大勢いらっしゃるようです。・・・が、世界のアポロで、地元コミュニティの教会で、こうやって行く先々の大観衆の前で「我々の大切なファミリーです!」と紹介される日本人は、今後100年経っても、他に誰も出て来ないのかも知れません。

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# by tommytomita | 2005-12-29 07:55 | アポロ劇場

心から・・・Thank You Apollo !!

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byトミー富田

12月28日(水)
今日は、ここ数年で、いえ、ここ十数年で一番びっくりして一番感動した日かもしれません・・・。

今夜はいよいよアポロ劇場のスーパートップドッグ(年間チャンピオン大会)で、1500席ある劇場のチケットは既にSoldOutです。
でも、私のアポロツアーでは、いつも1階のオーケストラ席を押えているので大丈夫、今夜もいつも通りツアー参加の皆さんと会場へ向かいました。

満席の場内では既に観客の興奮が高まっており、異常な雰囲気です。今夜は、これまで負け知らずの日本人ダンサー「タカヒロ君」もチャンピオンに挑戦ということで、開演前、ちょっと楽屋へ挨拶に。それから、もうひとつ、開演前に会っておきたい人が何人かいました。私事になりますが、毎週このアポロ劇場に日本の方々をご案内してかれこれ20年、毎週ショースタッフやチケットボックスの皆にお世話になっているので、1年のお礼も込めて、毎年ささやかですがクリスマスプレゼントを渡しています・・・が、実は今年は、丁度、交通ストライキやら何やらでバタバタしてしまい、今日まで渡しそびれていたのです・・・。とても気になっていたので、知った顔を探そうとウロウロしていると、ディレクターのワイリーさんから「話があるからこの辺にいてね」と言われてしまい、それ以上動き回ることができなくなって、大人しくショーを見ることにしました。

いつものようにオープニングの前歌で始まり、即興ダンス大会で盛り上がった直後のことです。

普段なら、ここからMCが交代になり、本選に入っていくのですが、今夜は特別にアポロの支配人で私の大親友でもあるビリーさんがステージに紹介され、登場しました。

ビリーさんは、“私は24年間アポロ劇場に勤務し、数々の歴史やレジェンドを見てきた・・・今日はこの場で、私たちの大切なアポロファミリーに栄誉を授けたい・・・”と語り始めました。今夜はなんだか特別だな・・と見ていると、続いて
「その彼は、日本で生まれてハーレムに住み着き、アポロ劇場に20年間毎週日本のツーリストを引き連れて通ってくれたお陰で、現在、このアポロ劇場には毎年沢山の日本人が来るようになった・・・その人の名はTommy Tomita。彼は、真の我々アポロファミリーです!」
・・・と、私の名前を呼ぶではありませんか!

私は、あまりの驚きに、一瞬、何のことかわからなくなってしまいました。まさに「頭の中が真っ白になる」というのはアノ状態のことでしょう。
「Tommy、今日はどこにいるか?」とビリーさんがステージから呼んでいます。
ディレクターのワイリーさんに促され、何とか舞台に上がったのは憶えていますが、1500人の満員の観客から沢山の拍手を頂き、しかし舞台の上から観客は全く目に入らず、思わず目頭が熱くなりました。

全くのサプライズです。
感動と驚きで、トロフィーをいただくのに精一杯、言葉が何も出てきませんでした・・・。

こんなにビックリしたことはこれまでかつてなかったかもしれません。

舞台から降りてくると、みんなから「Congratulations!」と握手を求められ、恥ずかしながら、やっと実感がわいてきた次第です。

アポロアマチュアナイトのステージでは、いつの頃からか、最後まで自分のパフォーマンスをすることができた出演者達が皆「Thank You Apollo!」と叫んでステージを去っていきます。この偉大なステージへの敬意を表す最大級の言葉です。

私は今日、興奮の余り何も喋ることができませんでしたが、20年間、毎年欠かさず通い続けたアポロ劇場に、今、ここで声を大にしてお礼を言いたいと思います。

      “ Thank You Apollo !! ”




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# by tommytomita | 2005-12-28 23:41 | アポロ劇場

ストライキの中でのブルックリンツアー

by TommyTomita

12月20日(火)
ストライキの真っ只中、集合場所の53丁目ヒルトンホテルより4名、32丁目のペンシルバニアホテルより2名、計6名の女性の方々をピックアップしてブルックリンツアーを催行しました。

まず、マンハッタン内はどこも交通混雑、ヒルトンからペンシルバニアまで通常10分のところ40分もかかって、やっと全員が集合。予定より1時間遅れでツアースタートです。

ブルックリン・バッテリー・トンネルを通過して、やっとの思いでスタッテン島とブルックリンを結ぶベラザノブリッジに着いたのが12時半。マンハッタンから約2時間、ストライキの混乱がまるで嘘の様な壮大で静かな景色をしばし眺めながら、ようやくホッと一息です。

古き良きアメリカの避暑地の面影たっぷりのコニーアイランド、NYメッツの二軍のキースパン球場を通って、ホットドッグ発祥の店「ネイザンズ」へ。1916年に誕生したこの店では、毎年ホットドッグの早食い競争が行われ、最近では日本人の小林タケル君が3連勝中。ツアーの皆さんは、ここでホットドッグを味わいながら、このホットドッグを1分間に52本も食べた小林君に感動を覚えたようです。

丁度、店の向かい側が地下鉄の駅で、プラカードを抱えた黒人・スパニッシュ系労働者達のMTAウォーキングストライキが静かに行われていました。

ユダヤ人街、アーミー広場、プロスペクトパークやボタニックガーデンを通って、ブルックリンミュージアムへ。ストライキの影響で、この辺りも凄い交通渋滞でしたが、何とかすり抜け、マンハッタンの素晴らしいスカイラインがパノラマで広がる View Point に辿り着くと、皆さんもうっとり、記念撮影大会です。

昼食は、100年の歴史を誇るNYチーズケーキの有名店「Junior's」で。その後、NYで今一番流行っているチョコレートショップ「ジャック・トレス」で味見とShopping。

さて、最後は噂のユダヤ人街です。この辺りでは、皆ハシディズム(神秘的秘密主義)といわれる昔ながらの格好をしています。男性は黒装束、山高帽に黒のフロッグコート、女性はターバンまたはスカーフを頭に巻いています(結婚すると髪の毛を剃って自分の主人以外には見せてはいけないという古い習慣の為)。初めて見る人にはちょっと異様に写る雰囲気の街を通り、一路マンハッタンへ。

今日は、ストライキの影響で一日中交通混雑に見舞われて、ツアーが終了したのは午後4時過ぎ。2時間以上遅れた長い長いブルックリンツアーでした。

私が元祖ブルックリンツアーを始めた頃は、まだまだレアだったブルックリンの各スポット・・・最近では、インターネットの普及や色々な雑誌・ガイドブックでお馴染みになってきました。しかし、広~いブルックリン、自分たちで全部周るのは大変です・・・。トミーのブルックリンツアーで車で効率良く周りましょう!

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# by tommytomita | 2005-12-21 02:08 | ブルックリン

遂にMTAストライキ・・・

by TommyTomita

12月20日(火)
本日未明、いよいよ25年振りにMTAストライキに突入しました。
NY市の地下鉄、バスが一斉に止まってしまい、ブルックリン・ブロンクス・クイーンズからの通勤者は皆、早朝から歩かなければなりません。ブルックリンブリッジ、クイーンズボローブリッジも異常な人出です。

車はマンハッタンに入る96丁目で検問があり、4人以上乗せていないと通過できない規制の為、一般の車はマンハッタンにはなかなか入れません。
イエローキャブやLiveryの商業車は、かろうじて通行することができます。(最近は、一般の方が地下鉄や歩きでNY観光ツアーを催行したりするそうですが、そこに申し込んでいたツーリストの方々はツアーキャンセルで大変のようです。)お陰さまで、私共のハーレムツアーはNYで20年の歴史を持つ正式なツアーですので大丈夫、全て通常通り催行です。ということで、今朝は早速ブルックリンツアーに出掛けます。

この分でいくと、何日間かストが続きそうな気配。
25年前のストライキは11日間続いたそうですから、そうなるとこのクリスマスは最悪となりそうです。

MTAのストライキは違法となる為、毎日多額の罰金が課せられ、更にこのクリスマス商戦時の市民の足止めは、計り知れない経済的ダメージを与えるようです。

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# by tommytomita | 2005-12-20 23:41 | ニュース

新生アポロ劇場誕生の日

新生アポロ劇場誕生の日_f0009746_1510988.jpg
byトミー富田

12月15日(木)
アポロ劇場の看板とマーキー(大ひさし)が完成され、点灯式が華々しく行われました。
式典に先立ち、3階のレセプションコーナーで豪華なディナーとカクテルパーティが開かれ、私たちも招待いただいきました。

式典はマーキーの下で行われる為、アポロ劇場前の道路は一部遮断、招待状が無いと近くを歩行することもできません。

アポロのPresident ジュネル・プロコプや、Chairmanのリチャード・パーソンズ、マイク・ブルムバーグNY市長、クリントン元大統領等が参列。招待客の中にはチャック・ジャクソン等の姿も見えました。

式典前の緊張の中、詰め掛けた大勢の報道陣からブルムバーグ市長に向けて、MTA(ニューヨークの地下鉄・バス)ストライキについての質問が集中し、なかなか本題に入れない場面もありました。

クリントン元大統領は、ハーレム125丁目(bet.5th & Lenox Ave.)にあるオフィスから歩いて参加。セキュリティが10名ほど取り巻く中、集まった沢山の民衆と気さくに写真などを撮りながら歩く為、人々の輪が段々と大きくなって、とうとう警察の規制が入ってしまいました。クリントンは未だにハーレムの人気者です。

アポロ劇場は、今月28日のスーパートップドッグ(年間チャンピオン大会)を最後に、来年2月13日まで休業となり、椅子の入れ替え工事を行います。そして、2月14日のバレンタインデーに、新しくオープンする予定です。
オープニングの2月14日は、オージェイズが出演。翌日の2月15日(水)より通常通りアマチュアナイトも再開、新生アポロ劇場として生まれ変わります。

ハーレムの象徴であるアポロ劇場伝統の看板とマーキーが煌々と点灯し、今、ハーレム125丁目は一気に明るく活気づいています。

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# by tommytomita | 2005-12-15 23:41 | アポロ劇場